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Crews Maniac Sound のベースを買った

そんなわけで全く弾けないにも関わらず、ベースギターを買いました。

Crews Maniac Sound T Bee-57 2TS w/ K&T P-57 BM

Crews T Bee-57 2TS w/ K&T P-57 BM – Guitar Shop Hoochie's

Crews Maniac Sound は株式会社クルーズが手掛ける日本の楽器ブランドであり、プロユースを意識したモダンなスペックからトラディショナルなスペックのモデルまで幅広いラインナップを揃えています。

この T Bee-57 は、Fender が1951年から1957年にかけて製造・販売していた、いわゆる Original Precision Bass (OPB) のクローンモデルです。

Original Precision Bass と Precision Bass

一般的に広く知られている Precision Bass (PB) は、1957年以降の仕様であり、ピックアップやブリッジ、ネックの形状などに違いがあります。

よく知られている Precision Bass はこれ。Fender 公式サイトより引用。
最初期はこんなデザインだった。Fender 公式サイトより引用。

OPB を使用しているミュージシャンで最も有名なのが Sting でしょう。The Police の時代は様々なモデルを使っていましたが、2000年代から OPB を愛用しており、昨年(2023年3月)の来日公演でも年季の入った OPB を弾いていました。

スペック

  • Body: 2 Piece Alder
  • Neck: 1 Piece Hard Maple
  • Fingerboard: Maple
  • Weight: 3.8Kg
  • Scale: 864mm
  • Machine Head: ゴトー製ペグ
  • Pickup: K&T "P-57 BM"
  • Control: Volume、Tone
  • Bridge: Original PB Style
  • Finish: Cloudy Lacquer Finish

ベースを始めようと思ったきっかけ

これといったものが思い当たらず、未だに理由が分かりません。YouTube でベース関連機材のレビュー動画や演奏動画を延々と視聴したり、EC サイト様々なメーカーのラインナップをぼんやりと眺めている日々が数ヶ月ほど続き、この連休中は御茶ノ水や渋谷の楽器店を巡り歩いて、徐々に気持ちが高ぶってきたというわけです。

買うならシンプルな PB タイプにしようと考えていた

ギターで弾く音楽はブルースやハードロックが中心ですが、ベースにフォーカスして音楽を聴く際はどちらかというとモータウンやポスト・パンクを選ぶことが多いです。となると Jazz Bass (JB) タイプよりも PB タイプの方がしっくりくると考えていました。

Fender 公式サイトより引用

当面の間はスラップ奏法を習得するつもりもないため、Music Man (MM) タイプも違うだろうと判断して、PB タイプに絞り込んだというわけです。

Music Man 公式サイトより引用

Crews の T Bee-57 購入に至るまで

「日本のメーカーのベースが欲しい」 と漠然と考えていました。(O)PB なので Fender 製を選択するのが王道なのですが、なぜか本家であるはずの Fender には昔からあまり興味が持てないんですよね。品質と価格に納得感を見出だせないというか 「別に他にいくらでも良い選択肢があるでしょ」 という感覚があります(Gibson にはそのような感情が湧かない)。

ダラダラと物色する日々

予算を3パターンほど設定し、それぞれの価格帯で目ぼしいモデルをピックアップしてはそれぞれのレビューを漁る日々が1ヶ月以上も続きました。Crews のモデルもいくつか候補に入れていましたが、T Bee-57 が8月限定でセール価格になっていることを知り 「これはもしかして何かの御縁なのでは……?」 と思って現物を見に行くことに。

試奏 - そして購入へ

ここはフーチーズ渋谷店。先述した株式会社クルーズの直営店であり、Crews Maniac Sound をはじめ、他の楽器店ではあまり見かけないマニアックなアイテムばかり扱っている風変わりなお店です。過去に VOX AC15C1XPRS McCarty 594 SC を購入した店であり、その後もギターのメンテナンスなどでときどき世話になっています。

目当てのベースが陳列されているもののベースは全く弾けないので試奏するのもどうかと思いましたが、スタッフの方から勧められるまま試奏してみることに。

案の定手がおぼつかず音を出すだけで精一杯でしたが、ネックのグリップや抱えた感触はとてもしっくりくるものがあります。ギターほど詳しくはないものの、良い仕事をしていることは感じ取れました。コントロール部分もパッシブ回路で 1ボリューム + 1トーンという極限までシンプルな仕様なので、操作や音創りで迷う余地が一切ありません。自分の弾き方でどうにかするしかない。だがそれでいいのだ。

買うかどうかは五分五分でしたが、"これ以上ないほどシンプルな仕様" 且つ "確かな品質" という自分の希望をすべて満たした楽器が特別価格で眼の前にあるということで 「やはりこれはもう縁なのだな」 と思うしかなく、購入に至りました。

突然の出来事でしたが、経験上こういう買い物で失敗したことがないので、今回も良い判断をした、よくやったと自己満足しています。

とりあえず基礎から

とりあえず基礎的な運指ミュートから地道に練習していますが、ギターで培ったテクニックがそのままベースに流用できるわけではないことを痛感しています。全然弾けません。道具のせいにするといった言い訳が一切通常しない環境なので、ギターが疎かにならないよう気をつけつつ真面目に取り組んでいこうと思います。

課題曲どうしようかな。

余談: 候補だった他のモデルたち

Yamaha BB434

YAMAHA 公式サイトより引用

ヤマハ | BB - エレキベース - 400 Series

一番コストパフォーマンスに優れており、品質および機能において申し分ないモデルだと思います。旧来の YAMAHA BB シリーズはルックスが好みでなかったのですが、現行モデルでとてもスタイリッシュになったと感じ、候補に入れていました。Crews T Bee-57 を購入した後もこれは本当に良いモノだと思っています。

Van Zandt PBV-R2

トーラスコーポレーション公式サイトより引用

Van Zandt BASS Series

長らく愛用しているストラトタイプのギターが Van Zandt ということもあって、ベースも Van Zandt にできたらと考えていました。Crews T Bee-57 が特別価格になったのと同時期に Van Zandt PBV-R2 の中古品が出品されたので、最後までこちらを選ぶか悩みました。

Fender Made in Japan Heritage 60s Precision Bass

Fender 公式サイトより引用

2023 Collection Made in Japan Heritage 60s Precision Bass® | Electric Basses

いちおう比較対象として候補に入れていました。日本製 Fender の最上位モデルということで品質はまず間違いないでしょう。とはいえ Fender Japan 時代の品質と価格のバランスを知っている者としては、どうも現行ラインナップの価格設定に納得感が持てないというか「ふっかけてませんか?」と思わずにいられないんですよね。

ATLANSIA BOHEMIAN BASS

Atlansia 公式 Facebook より引用

ATLANSIA / Bohemian 4st Bass RED【新宿店】 | イシバシ楽器

半ば冗談ですが 「もし予算を青天井にするなら」 という妄想で候補に入れていました。はじめのうちはその禍々しいルックスに若干ひき気味でしたが、写真や現物を眺めていくうちにだんだんとその不思議な魅力に引き込まれていくんですよね。 「クセが強いものはハマるとクセになる」 とはよく言ったものです。すこぶるカッコよくて美しいと思います。が、初手で選んで良いものではありませんね。